ss02 人気者な一日
1作目とは逆に総司がいない日を書いてみました。
平助目線ですが『沖×セイ』です。
でも『沖×セイ←藤』っぽいかも・・・
<人気者な一日>「神谷さーん」
「あ、神谷くん」
「神谷はんっ」
「お!神谷」
なんだか今日はよく声をかけられるなぁ。
そんなことを思いながら、屯所内を駆け回る清三郎。
「神谷は人気者だからなぁ~」
「なに言ってるんですか、藤堂先生」
「そんなことないですよ」と言いながらも
頼まれた用事を次々とこなしていく様がまた
かわいいんだよなぁ、なんて思ってしまう。
「あんまりみんなの言うこと聞いてると疲れるよ」
「はぁ、いつもならこんなに声をかけられないのですが」
と言う神谷に
「まぁ今日は総司がいないからねぇ」と続けたら
「関係ないですよ、そんなの」と返されてしまった。
気がついてないんだね。
いつも二人でいる時、みんな声がかけづらいんだよ。
だってあまりにも神谷が幸せそうなんだもの。
そんなことを思っていたら
「神谷さぁ~ん、今帰りましたよ
お土産のお団子でも食べませんか?」
といつもの呼ぶ声が聞こえてきて
「先生!お帰りなさいっ」
さっきよりもかわいい顔でうれしそうに微笑んで
「お茶入れてきますね」と厨へ向かってしまった。
「いいね、総司は」
「なにがですか?」
--いつも神谷といれて--とは心の声。
「なんでもないよ」
「・・・変な藤堂さん」
と笑われたが「じゃあね」とそこを後にする。
総司は野暮天だからなぁ。
それが幸せなことにも気づいていないのかもしれない。
「いつまでも続くとは限らないのに」
つい口から出てしまった言葉に驚きつつも
この二人に限ってそんなことはないのかな
とも思う平助であった。
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