「注意事項」をお読み頂き有難う御座います。
ここは色々な注意事項を記載しております。
まず、「お初にお目にかかります」にも書きましたが
作者及び出版社様とは一切関係ありません。
ブログ内の作品に関する著作権は、作者雪乃に帰属します。
放棄しておりません。無断転載及び流用はご遠慮下さい。
歴史観、言葉遣いなどフィクションも含みます。
あらかじめご考慮下さい。
基本CP(カップリング)は『沖×セイ』ですが
『土×セイ』など他のCPも書く予定です。
『沖×セイ』以外望まない方はご注意ください。
また、誤字脱字など気になるところがありましたら
教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
■カテゴリーのご案内
【目次】
管理人雪乃からご挨拶・注意事項・ご案内など
【風光るSS】
『風光る』を基にしたショートストーリーです。
一話完結ですが、順番に読むとより楽しいはず?!
【花香る季節】
初の連載です。現在凍結中。
【昌宜戦記】
映画『ゲド戦記』と『風光る』のコラボ連載小説。
【日記】
『風光る』ネタや小説の話、それ以外のことも
管理人が話したいことを綴ります。
【お宝】
ありがたい頂き物です。
■小説のご案内
基本は、沖田総司と神谷清三郎(沖×セイ)のカップリング(CP)です。
そのCP以外は、なるべく題名に記載します。
また史実バレは「(史)」本誌・コミックスネタバレは「(ネタ)」
現代版は「(現)」特殊設定は「(特殊)」と記載する予定です。
なんとなく一言目が思いつき、そのまま書き進めた処女作です。
よくあるネタな気がしますが初めて書いたものということで
お許し頂ければよいのですが。
<あなたのいない日>
「今日は神谷さんがいないのですね・・・」
こういう時はなぜか独り言が増える。
昔はどうだっただろう?
そんなことを思いながら副長室へと向かう。
スパンッ「土方さぁ~ん」
「総司、部屋に入る時は先に一声かけてからにしろっ!」
そう言いながらも部屋にいることを許してくれる。
「優しいですね、鬼副長♪」
「ばかやろう!!そんなこと言うなら出てけ!仕事の邪魔だ」
「だって、暇なんですもん」
「俺は暇じゃねぇ」
こんなやり取りはいつものこと。
しかし今日はそれだけではなかった。
「寂しいなら女の一人や二人、作りゃいいじゃねえか」
嫌な話の流れになったと思い
「土方さんのようにもてないですからね」
とはぐらかしてみるが
「そういうことじゃねぇだろ」と切り返される。
これは逃げるしかないと思い
「あぁ、そういえば用事を思い出しました」
と部屋から出ようとするが
こういう時の土方さんは放してくれない。
「だいたいなぁ。四六時中、神谷とばっかりいるから」
「そんなことないですよ」
「そんなことないこたぁないだろ。こないだだって」
「甘味スキスキ仲間なんですって」
「そんなんだから、念友だと噂されるんだろうが!」
「別にそんな噂どうでもいいです」
「どうでもよくないだろう!!」
「じゃあ失礼しますね」
逃げ出すように部屋を後にした。
「まったく土方さんもこういう話になるとしつこいんだから」
また独りになったとたんブツブツと言ってる自分がいた。
「本当に早く帰ってこないですかね・・・」
神谷さん。
あなたがいないとなんだか
隣がすぅすぅとして落ち着かないんです。
私は心配のし過ぎなのでしょうか?
早く帰ってきてください。
そして甘味でも食べに行きましょう。
ねぇ、神谷さん。
1作目とは逆に総司がいない日を書いてみました。
平助目線ですが『沖×セイ』です。
でも『沖×セイ←藤』っぽいかも・・・
<人気者な一日>
「神谷さーん」
「あ、神谷くん」
「神谷はんっ」
「お!神谷」
なんだか今日はよく声をかけられるなぁ。
そんなことを思いながら、屯所内を駆け回る清三郎。
「神谷は人気者だからなぁ~」
「なに言ってるんですか、藤堂先生」
「そんなことないですよ」と言いながらも
頼まれた用事を次々とこなしていく様がまた
かわいいんだよなぁ、なんて思ってしまう。
「あんまりみんなの言うこと聞いてると疲れるよ」
「はぁ、いつもならこんなに声をかけられないのですが」
と言う神谷に
「まぁ今日は総司がいないからねぇ」と続けたら
「関係ないですよ、そんなの」と返されてしまった。
気がついてないんだね。
いつも二人でいる時、みんな声がかけづらいんだよ。
だってあまりにも神谷が幸せそうなんだもの。
そんなことを思っていたら
「神谷さぁ~ん、今帰りましたよ
お土産のお団子でも食べませんか?」
といつもの呼ぶ声が聞こえてきて
「先生!お帰りなさいっ」
さっきよりもかわいい顔でうれしそうに微笑んで
「お茶入れてきますね」と厨へ向かってしまった。
「いいね、総司は」
「なにがですか?」
--いつも神谷といれて--とは心の声。
「なんでもないよ」
「・・・変な藤堂さん」
と笑われたが「じゃあね」とそこを後にする。
総司は野暮天だからなぁ。
それが幸せなことにも気づいていないのかもしれない。
「いつまでも続くとは限らないのに」
つい口から出てしまった言葉に驚きつつも
この二人に限ってそんなことはないのかな
とも思う平助であった。
最初『風光る』って季語だってこと知らなかったんですよ。
漫画の題だし、風薫るって言葉は知っててもそういう言葉あるとは。
それで、知ったきっかけなんですが
『風光る』の二次小説を検索してる時です(笑)
検索結果をいろいろ見てたら「季語」って書いてあって
ほんと驚きました。
なので風の季語つながりってことでこのブログタイトルが
『風薫る』になりました。
<風光る>
春の日の光が照る中を、そよ風が吹き渡る。
春の季語。
「装束を つけて端居(はしゐ)や 風光る/虚子」
<風薫る>
初夏、風が若葉の上を渡ってさわやかに吹く。
夏の季語。「風薫る五月」
「風薫る 羽織は襟(えり)も つくろはず/芭蕉」
やっと間接的でない『沖×セイ』です。
話中のお店は、幕末も今の京都にもある老舗甘味処です。
がんばって調べました(笑)
しかし、甘々にしようと思ったのに暑さにやられ・・・
まぁ甘味なのである意味甘々ですが。
<甘味馬鹿一代>
京の冷水は本当に砂糖水だけですねぇ
江戸なら団子が入ってるのに・・・
冷やし甘酒がよかったかも
飲みながらもそんなことを思い、町を歩く。
今は夏。
この季節の京は暑くてたまらない。
しかし甘味のこととなると総司には苦にならないのだが
「鍵善の葛切りはいつも食べてるので甘露竹にしますか?」
それとも、笹屋伊織のどら焼・亀屋陸奥の松風
他にも、半兵衛の笹まきふ・與市兵衛のおにぎり菓子
かま八老舗の茶釜最中・緑寿庵清水の金平糖
植村義次の州浜---
と次々出てくる店の名に清三郎はぐったりとしていた。
「先生、暑いのですからせめてさっぱりとしたものがいいです」
「ではやはり葛切りですかねぇ」
そう言うと総司は祇園に向かって歩き出す。
しかし清三郎はもうクタクタだった。
--このあいだ暑さで倒れたのに、甘味の為なら大丈夫とは--
さすがというかなんというか、と呆れる始末。
いくら先生と一緒にいたいからとはいえ疲れたなぁ・・・
そう思ったところで遠くから
「トコロテンや、テンや」
と言う声が聞こえてきた。
「沖田せんせーい!心太(ところてん)にしませんか?」
先を行く総司に声をかけるが
「甘くないじゃないですか」と返され、びっくりとした清三郎。
「先生、京へいらしてから一度も食べたことがないんですか?」
「だって酸っぱいんですもん」
「京や大坂の心太は江戸と違うんですよ」
と言って薦めてはみるがあまり気乗りがしない様子である。
「いいから一度食べてみてください」
「嫌ですよぉ」
そんな押し問答を続けても埒があかないと思い
清三郎はさっさと買うと、日陰がある川辺へと向かっていく。
「鍵善の葛切り~」
まだ言っているのかと思いつつ、心太を渡すと
仕方なしに口をつける総司。
「どうですか?」
「あ、甘い?なんで?」
「江戸では酢醤油が当たり前ですものね」
「これ、黒蜜ですよね?」
「私もこちらにきて初めて食べた時に驚きました♪」
食べてくれてよかった、と一息つく清三郎。
「さっぱりとして、美味しいですね♪」
「でも先生が知らないとは意外でした」
「神谷さんのお陰でまた一つ、いいことを知りました」
--甘味馬鹿と思っていたけど、知らないこともあるんですねーー
そんなことを思われているとは知らず
冷水では江戸ですが、心太は京ですね
と心で思う総司であった。