masa02-3 <昌宜戦記> ~外伝 房良の章~ パロディ3(特殊)
パロディ第3幕です。まだまだ続きます。
近藤は伊藤の屋敷へ向かっていた
神谷は沖田を探していた
総司は『自分の影』に追われていた
<昌宜(まさよし)戦記> ~外伝 房良の章~ パロディ3なぜ私はあの時泣いたのでしょう?
なぜあの子に話してしまったのでしょう?
なぜもう一度歌ってほしかったのでしょう?
影に追われながら考えていた。
そして心にある答えが浮かびそうになったが
その考えを打ち消す。
--それは私には必要のない感情です--
そういえば土方さんが神谷さんの境遇を話してくれた。
きっとあの話を聞いたことで同情でもしたのだろう。
親兄弟を斬られた上に火付けにあって
彼女も火傷を負っているのだから。
それにしても不思議な歌だった。
「『心を何にたとえよう 一人道行くこの心
心を何にたとえよう 一人ぼっちの寂しさを』・・・か」
もう涙など出ないと思ってたのに
あの歌にはなにかあるのか。
それとも彼女の歌声になにかがあるのか。
あんな話をしなければ
追われる様に出なくてすんだのだろうか。
でもどちらにしろ、あそこには長くいられない。
--この影がいるかぎり--
それにしても私の姿をしているこの影はなんなのか。
ある時から現われ、私を追い続けてくる。
(まったくどうすれば消えてくれるのでしょうね)
斬っても斬っても再び現われる。
しかも斬るたび、次に現われる間隔が早くなっている。
いっそ喰われてしまったらどうなるのか
そんな思いを抱いてしまったためか
手元にいつもの剣がないからか、影が目の前に。
影に触れられたその瞬間!
私は意識を失ってしまった。
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