hana01 <花香る季節>溢れる心(ネタ)
連載始めてみました。
どれぐらいの長さになるかはわかりません。
正直ちゃんと終れるのかさえ不安です・・・
コミックス20巻後を妄想。
お花たちを読んでいないので辻褄が合わないかも。
切ないお話です。
ネタばれかなりあります。
<花香る季節> 1.溢れる心ポトガラを撮ってから後の私は変だ。
考えてはいけないと思うのに神谷さんのことばかり気になる。
「歳三さんは『恋』だなんて言うし・・・」
とにかく神谷さんが無事見つかってよかった。
ただ、これから三番隊へ異動になった話をしなければ
ならないのかと思うと気が重い。
「先生、神谷です」
「お入りなさい」
「失礼します」
話があるからと言って夜中に呼び出したのはいいが
なかなか話を切り出せない。
「もう夜も遅いですし、明日にしませんか」
明日ではダメなんです。
早くあなたを隊から出さなければ今度こそ、ばれてしまう。
そう思いながらも手放すことができない。
「最近あなたが眩しく見えるんです
見ていると胸が苦しくなるぐらい」
「先生?」
違う、こんなことを言うために呼び出したんじゃない。
「私はどうしたんでしょう?」
「沖田先生?」
「私はどうしたいんでしょう?」
「あっ」
思わず手を引き、抱き寄せてしまった。
--もう止められない--
そんな思いが心をよぎる。
しかしそんな心とは裏腹に
「隊を出なさい」
いつものように冷たいこの言葉に
この子は、また泣いてしまうのだろうか?
「・・・・・・いやです」
小さな声で言うあなたに繰り返す。
強く抱きしめながら。
「隊を・・・出るんです」
そう言い放ち見上げると
静かに、静かに、ただ涙を流すあなた。
いつも泣く時には大声で泣くのに
今日に限ってなぜそのように泣くのですか。
顔を近づけ、目に頬に唇を落とす。
お願いですから承知してください。
もうこれ以上、私があなたを守ることはできない。
あなたを守りたいのに。
女子のあなたを。
「なぜまたそんなことを言うのですか」
「・・・」
「私が残ることを認めて下さったのではなかったのですか」
「・・・」
「先生」
異動になったことを告げれば良い筈なのに
どうしても言い出せない。
否、言いたくない。
--心が溢れる--
あなたが私の下を離れるなんて。
許せない。
神谷さん
あなたを捕らえて閉じ込めておきたいのかもしれません。
私だけを見つめていてほしいのです。
「私は隊を離れません」
そう言うと部屋を出て行くあなた。
私の腕の中から去っていくあなたを引き止められない。
そんな私はやはり臆病なのでしょうか。
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