hana06 <花香る季節>風の行方
花香るはずなのにまだまだ香りません(謎)
恋愛に関する心の動き、葛藤はむずかしいですね。
そしてどうしてもこの先浮かばなくなってしまったので
ここまではUPしておきますが、話は一度凍結させます。
21巻が発売されたら再度修正、連載予定です。
<花香る季節> 6.風の行方あれはナンナノダ・・・
目の前で広がる光景。
気持ちを落ち着かせようとして気づかぬうちに
土方の部屋のほうへ向かったのが間違いだったのか。
愕然とした気持ちになる。
(土方さんと神谷さんがなぜ一緒に?)
あの二人が似ているから仲良くなれると言ってはきたが
二人っきりで一緒にいるところを見るのは嫌だ!
(嫌?なぜ?)
なぜ、あなたが私だけを見つめていないのか
なぜ、私以外の者の前で泣くのか
なぜ、私のそばにいないのか
総司はいつの間にか眉間に皺を寄せていた。
しかしそんな自分には気づかない。
神谷と土方がそれぞれの部屋へと帰り
少し時間が過ぎた頃、ようやく動くことができた。
(私もそろそろ部屋へ戻らなければ)
部屋へと入るとすでに神谷は寝ていた。
そっと顔を覗き込む。
そこには泣きはらした目をした可憐な少女。
寝ていたことに安心する気持ちとは別に
先ほど考えすぎたせいなのか心になにか圧し掛かる。
--私は何も感じていない--
心にまた鍵をかける。幾重にも。
私は武士です。近藤先生をお守りするのが私の『誠』。
それ以外は何事も必要ないのです。
でも、なぜか神谷さんあなたのことを考えると
私の内のなにかが崩れていくのです。
ダカラ ワタシハ
カンガエナイ、カンジナイ
いつもの様に感情に鈍感でいればいい。
そんなことは簡単なことなのだから。
そのはずなのだから。
そう思い布団に入るが眠れない。
そして再び神谷の寝顔を覗き、前髪に触れた。
あなたはいつもそうです。
無防備に他人を寄せつける。
それがどれほどあなたにとって危険なのかを解ってない。
今もそう。
私はあなたにとってどんな位置にいるのでしょう。
無防備でも安全だと思っているのですか?
また、心が溢れていることを自覚しないまま
総司は清三郎の額へと口づける。
そしてその目の前には
ほんのりと紅く誘うような唇。
目を奪われ
誘われるように・・・
あなたが悪いのです。
そう、無防備なあなたが。
そこには己の心にまだ無自覚なままの総司がいた。
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