hana04 <花香る季節>優しい鬼(土セイ)
お休みにUPできなかった分、上げちゃいますっ
「2.始まりの予感」のセイちゃんside。
『土×セイ』風味です。
<花香る季節> 4.優しい鬼沖田先生のいる部屋を出ても涙が止まらない。
このまま隊士部屋に帰るわけには行かないが
夜中に屯所から出るわけにも行かない。
(井戸へ行こう)
あそこなら部屋からも離れているし
顔を洗うこともできる。
「沖田先生・・・」
やはりこんな風に泣いてしまう私は女子でしかない。
こんなにも武士でありたいのに。
私は一人考え事をしていたせいで
人が近くに来たことに気づかないでいた。
「神谷か?」
「ぐすんっ・・・あ・・・ふ、副長?!」
「どうした」
立ち去ろうとしたが土方に止められた。
こんな時に頼ってはいけないと思った。
しかしそんな私をなにがあったのかと
土方は優しく聞き慰めてくれる。
「いいから泣ききっちまえっ」
--優しくしないでください--
そう心では思うが体が動かない。
「今日は優しいんですね」
「ばかやろう、鬼が優しくてどうする。貸しだ貸しっ」
そう言いながら涙を拭われる。
私はこの優しい鬼を利用しているのかもしれない。
心はあの人のことばかりなのに・・・
「ありがとうございます」
「もう大丈夫か」
「はい。ご迷惑をおかけしました」
「しかし、こんなに泣くなんてやはり童だな」
あなたのことを見直しかけた私に
いつも通りのからかいの言葉。
(やっぱりいつもの鬼副長じゃないかぁ!)
「失礼しましたっっっ!!」
怒りを露わにしながら言うと
「さっさと寝ろ」という声が聞こえた。
怒りながら部屋まで戻る。
しかし、なんだか怒り以外の感情が心にある。
--沖田先生以外には感じなかった感情--
そんなことある訳ない。
打ち消し、明日の隊務のことを考え寝ることに。
そのあと部屋へ戻った総司の感情も知らず。
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